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整備工場の実務ガイド

構造変更(構造等変更検査)が必要な改造と手続き:軽微な変更の範囲と整備工場の段取り

公開:2026年10月7日 日本カーネット株式会社

構造変更(正式には構造等変更検査)は、改造によって車検証に記録された長さ、幅、高さ、乗車定員、最大積載量、車体の形状、用途などが変わったときに、車を運輸支局等へ持ち込んで受ける検査です。根拠は道路運送車両法第67条で、記録事項が変わってから15日以内に車検証の変更記録を受けることが求められます。一方で、ルーフキャリアやエアロパーツの取り付けのように、変化が一定の範囲に収まる軽微な変更なら手続きは要りません。この記事では、どこからが構造変更の対象になるのか、必要書類と手数料、構造変更後に車検の有効期間がどう変わるか、そして整備工場や販売店がお客様の改造車を預かって構造変更を受けるときの段取りを、国土交通省、軽自動車検査協会、自動車技術総合機構の資料に沿って整理します。

構造変更(構造等変更検査)とは:必要になる改造の範囲

自動車検査登録総合ポータルサイト(国土交通省)は、構造等変更検査を「車両の長さ、幅、高さ、乗車定員、最大積載量、車体の形状、原動機の型式、燃料の種類、用途、等に変更を生ずるような改造をしたとき」に受ける検査と説明しています。受ける場所は使用の本拠の位置を管轄する運輸支局等で、軽自動車は使用の本拠を管轄する軽自動車検査協会の事務所・支所・分室です。

道路運送車両法第67条第1項は、車検証の記録事項に変更があったときは、その日から15日以内に変更記録を受けなければならないと定めています。そのうえで第3項により、変更が省令で定める事由に当たり、保安基準に適合しなくなるおそれがあると認めるときは、車を提示して構造等変更検査を受けるよう命じられます。住所や氏名の変更は書類だけの変更記録で済みますが、車の寸法や構造が変わる改造は現車の検査が前提になる、という整理です。

変わる項目構造変更が問題になる改造の例
長さ、幅、高さオーバーフェンダーの溶接取り付け、リフトアップ、大型バンパーへの交換
車両重量荷台架装、クレーンや大型ウインチの追加
乗車定員座席の取り外し、座席の増設
最大積載量荷台の延長、架装物の変更
車体の形状、用途バンをキャンピング車にする、乗用を貨物にする
原動機の型式、燃料の種類エンジン載せ替え、燃料方式の変更

構造変更が必要になる条件

構造変更(構造等変更検査)は、改造で車検証の記録事項である長さ、幅、高さ、車両重量、乗車定員、最大積載量、車体の形状、原動機の型式、燃料の種類、用途などが変わったときに必要になります。道路運送車両法第67条は、記録事項の変更から15日以内に変更記録を受けることを求めており、改造を伴う場合は運輸支局等(軽自動車は軽自動車検査協会)に車を持ち込んで検査を受けます。ただし、長さ±3cm、幅±2cm、高さ±4cm、車両重量は小型・軽自動車±50kg、普通自動車±100kgの範囲に収まる軽微な変更や、指定部品をボルト等で付けた場合は手続きが不要です。どちらの場合も、改造後の状態で保安基準に適合していることが前提です。

構造変更が不要な軽微な変更の範囲と指定部品

構造変更の手続きを簡素化する取扱いは、1995年(平成7年)11月22日から実施されています。根拠は国土交通省(当時は運輸省)の依命通達「自動車部品を装着した場合の構造等変更検査時等における取扱いについて」です。通達は部品の付け方を3つに分けています。手で容易に着脱できる「簡易な取付方法」、ボルトや接着剤などの「固定的取付方法」、溶接またはリベットによる「恒久的取付方法」です。

付け方と部品寸法・重量が変わった場合の扱い
簡易な取付方法(手で容易に着脱)部品を問わず、記録事項の変更に当たらない
指定部品を固定的取付方法(ボルト、接着剤等)記録事項の変更に当たらない
指定部品を溶接・リベットで取り付け下の範囲内なら変更に当たらない
指定外部品をボルト等または溶接・リベットで取り付け下の範囲内なら変更に当たらない
範囲(長さ、幅、高さ)長さ±3cm、幅±2cm、高さ±4cm
範囲(車両重量)小型自動車・軽自動車±50kg、普通自動車・大型特殊自動車±100kg

指定部品の例として、ポータルサイトは機能的部品に身体障害者用操作装置、エアバッグ、けん引用トレーラ・ヒッチ、ショックアブソーバ、マフラー、タイヤ・ホイールなどを、アクセサリー的部品にルーフラック、キャリア、エアスポイラ、グリルガード、オーディオ、ナビゲーションシステム、アンテナなどを挙げています。

軽微な変更で手続きが不要になっても、保安基準に適合しなくてよいわけではありません。通達は、部品を付けた結果として保安基準に適合しなくなった車は整備命令の対象になりうると明記しています。自動車技術総合機構も、部品に「車検対応」と表示されていても、その表示をもって適合と扱うことはしないと説明しています。基準の中身と不正改造の扱いは 保安基準と不正改造の記事 にまとめました。

軽微な変更と構造変更の境目

構造変更が不要な軽微な変更とは、部品を付けた状態の寸法が車検証の値に対して長さ±3cm、幅±2cm、高さ±4cm、車両重量が小型・軽自動車±50kg、普通自動車±100kgの範囲に収まる場合を指します。また、エアスポイラ、ルーフラック、ショックアブソーバ、マフラー、タイヤ・ホイールなどの指定部品をボルトや接着剤で付けた場合と、手で着脱できる方法で付けた場合は、寸法が変わっても変更に当たりません。根拠は1995年11月22日実施の依命通達です。溶接やリベットで付けた部品が範囲を超えるときは構造変更が必要で、どの場合も改造後の車が保安基準に適合していることが条件になります。

構造変更の必要書類と手数料

普通車・小型車の構造等変更検査で、ポータルサイトが挙げる書類は次のとおりです。整備工場や販売店が代わりに申請するときは、お客様から預かるもの、お店で用意するもの、窓口で受け取るものに分けておくと、当日の差し戻しが減ります。

書類用意する人メモ
自動車検査証お客様から預かる電子車検証の場合はICカードそのもの
自賠責保険(共済)証明書お客様から預かる/お店で更新新しい有効期間の満了日まで保険期間が必要
使用者の委任状お客様に記入してもらう委任事項は自動車検査証記入・構造等変更検査
所有者の委任状所有者に記入してもらう型式、車台番号、原動機の型式が変わり変更登録を伴うとき
点検整備記録簿お店で用意直近の定期点検の結果を記載したもの
申請書(OCR第2号様式)窓口またはダウンロード軽自動車は軽第2号様式(自動車検査証記入申請書)
自動車検査票窓口で受け取る検査結果を記録する用紙
手数料納付書窓口で受け取る検査登録印紙を貼付。キャッシュレスはその旨を記載
自動車重量税納付書窓口で受け取る重量税印紙を貼付。キャッシュレス決済の場合は不要
納税証明書原則不要(登録自動車)システムで確認できないときは提示を求められる

手数料は、国土交通省の「登録・検査手数料一覧表」(令和8年4月1日現在)で、構造等変更検査が普通自動車2,900円(検査登録印紙600円と自動車審査証紙2,300円)、小型自動車2,800円(600円と2,200円)です。軽自動車は軽自動車検査協会の案内(2026年4月13日更新)で1両につき2,800円(検査手数料2,400円と技術情報管理手数料400円)とされています。これとは別に、新しい有効期間に応じた自動車重量税と、その期間を満たす自賠責保険料がかかります。重量税の額は車両重量や経過年数で変わるため、国土交通省の税額表か次回自動車重量税額照会サービスで確かめてからお客様に伝えます。

軽自動車では、放置違反金を滞納して公安委員会から督促を受けている使用者は納付を証する書面が、タカタ製エアバッグの車検停止措置の対象でリコールが未改修の車は改善措置済証が必要です。車両番号や諸元が変わる場合は、軽自動車税の申告書も別窓口で求められることがあります。

構造変更の手数料と費用の内訳

構造変更(構造等変更検査)の検査手数料は、国土交通省の登録・検査手数料一覧表(令和8年4月1日現在)で普通自動車2,900円、小型自動車2,800円、軽自動車検査協会の案内で軽自動車2,800円です。このほかに、新しく始まる有効期間分の自動車重量税と、その満了日まで続く自賠責保険料が必要になります。書類は車検証、自賠責保険証明書、点検整備記録簿、申請書(OCR第2号様式、軽は軽第2号様式)、自動車検査票、手数料納付書、重量税納付書が基本で、代理で申請するなら使用者の委任状、変更登録を伴うなら所有者の委任状も用意します。お店が代行する場合の代行料はこれらとは別で、見積書では法定費用と分けて示します。

構造変更後の車検の有効期間と自賠責・重量税

構造変更で見落とされやすいのが有効期間です。道路運送車両法施行規則第44条は、車検証の有効期間の起算日を「交付する日又は有効期間を記録する日」と定めています。満了日の翌日から数える特例は、満了日の2か月前から満了日までに継続検査を受けた場合に限られます。構造等変更検査にこの特例はないため、検査を受けた日から新しい有効期間が始まり、それまでの残りの期間は引き継がれません。

新しい有効期間の長さは道路運送車両法第61条によります。自家用乗用車や軽自動車(乗用)は2年、軽自動車以外の貨物車などは1年です。新車登録時の初回3年は、初めて車検証を交付するときだけの扱いで、構造変更には当てはまりません。たとえば車検の残りが1年半ある自家用乗用車を構造変更すると、その日から2年の有効期間になり、満了日はむしろ先へ延びますが、2年分の重量税をあらためて納めることになります。

自賠責保険は、新しい有効期間の満了日まで保険期間が続いていることが必要です。軽自動車検査協会は、古い証明書の保険期間が残っている場合は新旧両方の証明書を提示するよう案内しています。車検の満了が近い車なら、継続検査と構造変更を同じ日にまとめて、重量税と自賠責の負担を1回にする組み立てがお客様にとって分かりやすくなります。継続検査をいつから受けられるかは 車検はいつから受けられるかの記事 で詳しく扱っています。

構造変更で車検の有効期間はどうなるか

構造変更(構造等変更検査)を受けると、検査を受けた日から新しい有効期間が始まり、それまでの車検の残り期間は引き継がれません。道路運送車両法施行規則第44条で、満了日の翌日から数える特例は満了日の2か月前から受ける継続検査だけに認められているためです。新しい有効期間は自家用乗用車で2年、軽自動車以外の貨物車などで1年です(道路運送車両法第61条)。このため、新しい期間分の自動車重量税を納め、自賠責保険も新しい満了日まで続くように加入し直す必要があります。車検満了の直前に改造する予定があれば、継続検査と構造変更を同時に受けると負担が重なりません。

改造自動車の届出と2026年10月の見直し

車枠や車体、原動機、動力伝達装置などに手を入れる大きな改造は、構造等変更検査の前に、自動車技術総合機構へ書面を届け出て審査を受ける「改造自動車届出制度」の対象になります。自動車技術総合機構は、安全上重要な部分や目視で確認しにくい部分にわたる改造は、事前に届出書面を審査して適合性を確認すると説明しています。

この制度は2026年(令和8年)10月1日から見直されました。自動車技術総合機構の「改造自動車届出制度の見直しについて」(令和8年3月)によると、主な変更は次の2点です。

届出が必要かどうかは改造の内容で決まります。お客様から持ち込まれた改造車や、架装を伴う販売車両を扱うときは、作業前に管轄の検査事務所へ届出の要否を確かめておくと、検査当日に書面がないという事態を避けられます。

改造自動車届出制度の2026年10月改正

改造自動車届出制度は、車枠、車体、原動機などの改造について、構造等変更検査の前に自動車技術総合機構が書面で適合性を審査する仕組みです。2026年(令和8年)10月1日からの見直しで、同一型式内に設定された装置を取付方法を変えずに使う改造の一部と、乗車定員9人以下の乗用車または車両総重量3.5トン以下の貨物車に一般流通部品を取付方法を変えずに使う緩衝装置の改造が届出対象から外れ、現車審査のみで済むようになりました。あわせて新規検査等届出制度へ統合され、オンラインでの届出が可能になっています。届出の要否は改造ごとに違うため、作業前に管轄の検査事務所へ確認します。

整備工場・販売店で構造変更を受けるときの段取り

構造変更は、改造作業、寸法と重量の確認、書類、検査予約、持ち込み検査、台帳の更新までが一続きの仕事です。お店で受けるときの流れを順に並べます。

  1. 受付で改造内容を聞き取る。付けた部品、付け方(ボルトか溶接か)、座席の増減、荷台や架装の変更を記録し、車検証の長さ、幅、高さ、車両重量、乗車定員と見比べる
  2. 改造後の寸法と車両重量を測り、軽微な変更の範囲に収まるかを判定する。範囲内なら構造変更は不要と説明し、判定の根拠(測定値)を作業記録に残す
  3. 構造変更が必要なら、改造自動車届出の要否を管轄の検査事務所に確認する。必要なら届出書面を先に準備する
  4. 保安基準への適合を点検する。灯火の位置、最低地上高、タイヤのはみ出し、座席ベルトの数などは改造で崩れやすい
  5. 検査の予約を取る。普通車は自動車技術総合機構、軽自動車は軽自動車検査協会の予約システムを使う
  6. 書類を揃える。委任状、自賠責(新しい満了日まで)、点検整備記録簿、重量税の額をこの段階で確定させる
  7. 運輸支局等または軽自動車検査協会へ車を持ち込み、構造等変更検査を受ける。合格すると記録事項が変わった車検証と新しい検査標章が交付される
  8. 新しい車検証の内容で顧客台帳と車両台帳を更新し、次回満了日、諸元、改造内容、検査日を記録する

検査の予約方法は 車検予約システムの使い方 にまとめています。構造変更のあとは車検証の記録事項が変わるため、新しい車検証をお客様に渡すときは 電子車検証の見方 を使って変わった箇所を一緒に確認します。

代行料の説明では、検査手数料と重量税、自賠責保険料(法定費用)と、改造作業、測定、書類作成、検査場への持ち込みにかかるお店の費用を分けて見積書に載せます。構造変更をすると有効期間が新しく始まり重量税を納め直すことは、作業前に必ず伝えておきたい点です。満了日が延びる一方で、その場の支払いは増えるからです。

変更記録を受けずに改造車を使い続けると、道路運送車両法第110条により30万円以下の罰金の対象になります(第67条第1項違反)。改造の結果として保安基準に適合しない状態になっていれば、整備命令や不正改造の問題にもなります。

整備工場で構造変更を受けるときの流れ

整備工場や販売店が構造変更を受けるときは、受付で改造内容と付け方を聞き取り、改造後の寸法と車両重量を測って軽微な変更(長さ±3cm、幅±2cm、高さ±4cm、重量±50kgまたは±100kg)に収まるかを判定します。範囲を超えるなら、改造自動車届出の要否を検査事務所に確認し、保安基準への適合を点検してから検査を予約します。書類は委任状、新しい満了日まで有効な自賠責、点検整備記録簿、重量税納付書などを揃え、車を運輸支局等(軽は軽自動車検査協会)へ持ち込みます。合格後は新しい車検証の諸元と満了日で台帳を更新します。変更記録を怠ると道路運送車両法第110条で30万円以下の罰金の対象です。

よくある質問

車高を下げたら構造変更が必要ですか。
車検証の高さに対して±4cmの範囲に収まれば、記録事項の変更には当たりません。ショックアブソーバなど指定部品をボルト等で付けた場合も同様です。ただし、どの場合も最低地上高など保安基準に適合していることが必要で、基準を下回れば車検に通りません。
構造変更をすると車検の満了日はどうなりますか。
検査を受けた日から新しい有効期間が始まります。自家用乗用車なら2年、軽自動車以外の貨物車などは1年です。それまでの残り期間は引き継がれないため、新しい期間分の重量税を納め、自賠責も新しい満了日まで続くよう手配します(道路運送車両法施行規則第44条)。
構造変更は指定工場の保安基準適合証で済ませられますか。
構造等変更検査は、使用者が車を運輸支局等に提示して受ける検査です。国土交通省の手数料一覧でも、構造等変更検査は持込検査の手数料だけが示されています。お店が代行する場合も、検査場へ車を持ち込む段取りで計画します。
構造変更と継続検査を同じ日に受けられますか。
受けられます。満了日が近い車なら、構造変更と継続検査を一度にまとめると、重量税と自賠責の手続きが1回で済みます。満了日の2か月前より早い時期に受けると残り期間が無駄になるのは、継続検査単独のときと同じです。
改造車の受付や構造変更の履歴を、自動車整備システムで管理するとどう楽になりますか。
改造内容、測定した寸法と重量、検査日、新しい満了日を車両ごとの台帳に残しておくと、次回の車検案内や見積もりのときに過去の改造をすぐ確認できます。顧客と車両の台帳を持てる自動車整備システムなら、構造変更後の車検証の諸元に合わせて記録を更新できます。整備ソフトを選ぶときは、この台帳に改造履歴や測定値を残せるかを確かめておくと安心です。日本カーネットの 整備システム・整備ソフト DREAM POWER は月額6,000円(税別)、リースなしで導入できます。

出典・参考資料

記載内容は2026年10月7日時点で公表資料を確認したものです。手数料・税額・様式は改定されることがあるため、申請前に所管の運輸支局・軽自動車検査協会・警察署・都道府県税事務所でご確認ください。

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